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クレームが来るのは、“突き抜けなかった”時

『めちゃイケ』はクレームを受けることが少なくない番組だったが片岡飛鳥は、クレームが来た時は「自分たちが面白いと思うことを表現したつもりが、“突き抜けなかった”」と反省していたという。“突き抜けなかった”、ということは「面白さが足りなかった」ということであり「あまり笑えなかった」ということで、すなわち「後味がよくなかった」ということだと。

「僕自身は番組というのは作り手の価値観から始まるべきだと考えています。まずはディレクターの見方とか考え方で『こういうことが面白いと思う』っていうのが投影され、そこに演者やスタッフが共鳴しあって、思いっきり世にぶつけていく。うまくいけばそのオリジナリティが見た人の記憶に残り、うまくいけば『面白かったから次も見よう』という気持ちにつながっていく、みたいなイメージですかね。その“突き抜ける”感じがないと、他の人が作る番組と何がどう違うんだってことになってしまう」

片岡飛鳥氏 ©️文藝春秋

 今回の「ゼロ-1グランプリ」は不謹慎という誹りを受けるかもしれない種類の企画かもしれないが、「突き抜けた」面白さが確かにあった。

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「テレビっていうのはブランド商売だから、そこを戻すには新たなブランド性があって、新たに顧客の信用を得るしかない」と片岡は言う。ただ、その打開策は「そこそこ面白い番組をつくって、そこそこの視聴率をとりにいく」ということではない。「当たり外れはあるだろうけど、もっと“変な番組”が出てくることが必要」なのだ、と。

『567↑8』はまさに企画によって「当たり外れ」はあっただろう。けれど「変」な番組には違いなかった。

 片岡飛鳥からフジテレビの若いディレクターたちに“血”の伝承が確かに行われてきている。