11月2日、ジャーナリストの田原総一朗さんと評論家の辻田真佐憲さんによる文藝春秋ウェビナーでの対談「自民党“大宏池会”の逆襲がはじまる!? 日本の派閥政治はいつまで続くのか」が開催されました。
10月31日に行われた第49回衆院選。その結果を2人はどう捉えたのでしょうか。自民党・派閥政治の実相から、日本のメディアの問題点、田原氏による著書『創価学会』と公明党の力学までを論じたオンライン対談の一部を無料公開します。
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辻田真佐憲(以下、辻田) 先日、衆院選の結果が出ましたけれども、田原さんはどうご覧になっていますか。
田原総一朗(以下、田原) 前日の事前調査で僕が朝日新聞とNHK幹部に聞いたら、両方とも自民党が50議席以上減らすと言っていた。ところが、実際は15しか減らなかった。
辻田 なんでそんなに予想と違ったんですか?
田原 事前調査では、立憲がもっと勝つとみんな思っていた。ところが、立憲が負けて予想と全く違う。なんでこうなったか。それは枝野氏が……枝野って知ってる?
辻田 知ってますよ。もちろん。
立憲民主党はなぜ議席を減らしたか
田原 枝野が考えている以上に、やっぱり国民の多くが共産党に対するアレルギーがあった、共産党嫌いが多かったんじゃないか。枝野は共産党と組まないと政権を取れない、組むことに国民の多くが理解を示してくれるだろうと思った。でも、やっぱり共産党嫌いが多い。
辻田 国民はどちらかというと中道の政党を求めていたと感じるんですよね。つまり、自民党とはまた違った中道の国民政党です。
田原 結果は、自民党も立憲も減らして、維新だけ議席が4倍になった。
辻田 本当は立民は共産党と組むのではなくて、維新や国民民主が取った票を取りにいかなきゃいけなかったはずなんですよね。それをやらなくて、共産党と共闘してしまった結果、国民から信頼を失って議席を減らしてしまうようになってしまった。
田原 実は、僕はこんなに国民が共産党を嫌いと思わなかった。
辻田 共産党の綱領を読むと、自衛隊は解消する、天皇制は廃止する、私なんかが見ると現実的じゃないなと思うことも多いです。国民もそう思っていたからそうなったんじゃないんでしょうか。