文春オンライン

「習近平は辞めちまえ!」中国の”ゼロコロナ反乱”が日本にも波及…新宿西口で抗議主催者と参加者に直撃

2022/11/28
note

──終わってみての感想をお願いします。

A:いま、国外にいる中国人はみんな、誰が敵で誰が味方かわからない状況です。自分の国の政府に対して疑問を抱いたときに、英語や日本語を使って外国人(=日本人など)に対してなら、その気持ちを喋れる。でも、母語である中国語を使っては口にできない。そんな悲しみを感じている世界中の孤独な同胞に『1人じゃないぞ』『お前の味方はたくさんいるぞ』と言ってあげたい思いです。

香港デモの手法を援用した?

 ちなみに、私の手元の情報によると、11月末に新宿の別の場所、また12月上旬に池袋と大阪の日本橋で類似の集会がおこなわれるらしいが、それぞれ提唱したTelegramグループが異なるらしい。A氏は「自分は他のグループのことはよくわからない」という。

ADVERTISEMENT

 そこで、別の集会の提唱グループに近い人物に連絡を取って事情を聞いてみたところ、彼らは逆にこの新宿西口の集会については、やはり「細かいことはわからない」。こちらの人物はこう説明する。

「2019年の香港デモが用いていた『Be water(水になれ)』作戦の影響があると思います。明確な中心がなく、組織も作っていない。みんなが匿名でTelegramでつながっているだけでも、集会やデモはできるとわかったんです」

早稲田大学に貼られていた反習近平ポスターの一部が再登場していた。2022年11月27日、筆者撮影。

 事実、この日の新宿駅西口地下広場の集会でも、即興の演説をおこなっていた参加者のなかに「Be water」に言及する人がいたようだ。

 前月に日本各地の大学で、デザインの統一性がまったくない反習近平ポスターがバラバラと貼られた事件についても、全体的な指導部が存在しなかった点では、似たような手法が採られたといえるかもしれない。

「もちろん、すごく怖いです」

 「代表」のA氏以外にも、集会後に7~8人の参加者に話を聞いた。そのなかから、30代前半の社会人のB氏(女性)と、20代なかばの留学生C氏(男性)のコメントを紹介しておこう。

──参加した理由は?

B:ウルムチの火災のことに腹が立ったし、痛みを感じました。自分はなにができるかはわからないですが、こんなにひどいことにはとにかく声を上げるべきだと思いました。