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C:中国国内の同胞があんなに大変なことになっているのに、自分は安全な日本でのうのうと過ごしていていいのか。いま動かないと、きっとこれからずっと後悔すると考えたんです。

「習近平死刑」「習の肉まん野郎くたばれ」から「自由中国」「同胞よ目覚めよ」まで多種多様な寄せ書き。2022年11月27日、筆者撮影。

──Bさんは髪も目元も隠さずマスクだけで参加していますが、リスクを感じませんか?

B:感じますよ。もちろん、すごく怖いです。でも、中国国内にいる人たちはもっと怖い環境なのに、マスクだけの姿で街に出て抗議している。彼らに勇気をもらいました。海外にいるのに、国内にいる人たちよりも怯えてはいられないと思います。

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嵐の前の静けさの先に何があるか

 この27日夜、中国国内では少なくとも10大都市で大規模な抗議運動が起こった。ネット上に流れた情報によると、北京では約1ヶ月半前に反習近平の横断幕が出された四通橋付近にも群衆が集結。横断幕のスローガンを叫ぶ現象がみられたという。

 中国国内の警察はこれらに対処はしているものの、現時点では穏健な対処をおこなうケースもある模様だ(もっとも、大きな騒ぎが起きたときはギリギリまで相手を泳がせ、当局側の態勢が万全に整ってから一気に叩き潰すのが中国の治安維持機関のパターンなので、目下の「静観」は嵐の前の静けさである可能性が高い)。

 また、中国共産党の支配体制は、われわれが思うよりもはるかに強靭だ。すくなくとも現時点では、この大量の抗議運動が習近平の辞任や体制の転換にまでつながっていく可能性は低い。はしゃいで騒ぎすぎたり、この動きに過大に期待したりせず、一定の冷静さを持って事態の推移を見守ったほうがいい。

模造紙に書きつけられたスローガン。もっとも、今回の集会をおこなったTelegramグループは、参加者が翌日朝までに800人以上まで拡大したことで、中道穏健派と徹底した反共産党派に意見が分裂。中心なき運動の弱点も露呈している。2022年11月27日、筆者撮影。

 とはいえ、中国人がこれだけの規模で動いて自国の体制改革を訴える現象は、1989年の天安門事件のあとは絶えてなかったことだ。今後の中国が、先行きが非常に不透明な時代を迎えることは確実だろう。盤石かと思われた習近平政権第3期の雲行きは、かなり怪しくなってきた。