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《早々と国葬を閣議決定し、後戻りできなくなった首相は、説明という名のつじつま合わせに追われた。(略)取り繕おうとすればするほど、国葬の性格はあいまいになった。》(毎日新聞9月27日)

 とりあえずやってしまえという態度ではマイナンバーカードの件も同じだ。健康保険証を2024年秋に廃止という動きに対して「事実上の義務化」という言葉をよく見かけたが、正しくは「事実上の強制」である。そういえば閣僚の辞任に対しても「事実上の更迭」とよく報じられた。「事実上の○○」には本質を隠してそのまますっとぼけたい態度を感じる。

 流行語と言えば「辞任ドミノ」もそうだろうか? しかしあれもよく考えると妙だ。ドミノ倒しは責任が無い人まで巻き込まれるイメージだが、岸田政権で辞めた人はそれぞれに特有の理由があった。「3人とも醜聞が自立していて自分でちゃんと倒れた」のである。別にドミノ倒しではない。

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絶賛流行中の「五輪汚職」

 最後にこの流行語も挙げておこう。「東京五輪汚職」。もしくは「東京汚職五輪」。こちらは現在も絶賛流行中です。

 つい先日はこんな素敵なお知らせがあった。

『IOC「気候対策優先」 30年冬季五輪 決定先送り…「札幌に時間猶予」見方も』(読売新聞オンライン12月8日)

《気候変動が将来の五輪や冬季競技に及ぼす影響を議論する必要があるとの理由だが、国内の関係者からは、東京五輪・パラを巡る汚職、入札談合事件で札幌招致への国内の支持が低下する中、札幌開催を望むIOCが「時間的猶予を与えた」との声も上がっている。》

 いやぁインチキ臭い。汚職事件で吹き荒れる逆風が弱まるのを待ち、時間稼ぎをする。でも「東京汚職五輪」という負のレガシーは簡単に人々の記憶から消えることはないはず。IOCはこの程度の工作で日本国内の目をごまかせると考えているとしたら、とことん舐められたものです。