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「いつもあっちゃんのカゲに隠れて…」葛藤を抱えた大島優子(34)を“AKB48史上最高の2番手”にした“知られざる才能”《秘蔵写真あり》

『エースと呼ばれる人は何をしているのか』より#2

2023/08/24

genre : エンタメ, 芸能

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 本番直前の舞台裏、ほかのメンバーがメイクに入ったりお手洗いにいったりバタバタしているなか、私とマンツーマンで向き合って振りを覚え直していく──。そんなときの安倍の集中力は本当にすごくて、私の説明にウン、ウンとうなずきながら、短時間ですべてを吸収していく。それで最後に私が「大丈夫?」って聴くと、「大丈夫」ってうなずく。そうしたらもう、絶対に間違えません。

 ふだんの安倍はレッスン中に居眠りをしたり、注意されても「テヘヘ」ですませてしまうようなポワっとした子なのですが、そのキャラが許されるのも集中力のおかげです。いざとなればちゃんと集中スイッチが入ることがわかっているから、ちょっとくらいトボケていても信頼が損なわれたりはしないのです。

前田敦子の「二番手」だった大島優子は…?

 AKB48の大島優子の核にあったのは冷静さと平常心です。彼女は前田敦子がいたころはつねに二番手のポジションで、内心では忸怩たる思いもあったはずです。しかし、そんな葛藤は心の奥底に封じ込め、二番手としての役割を完璧にやり遂げました。それは彼女が冷静に自分を、前田を、そしてAKB48全体を見ていたからできたことだと思います。

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©文藝春秋

 つねに冷静沈着に相手を観察し、どういう言葉にどう反応するかなどを見極めているから、どんな相手とも円滑にコミュニケーションをはかることができるのでしょう。

 このように、何かひとつでも核になるものがあれば、それは形を変えてさまざまな場面で自分を支えてくれます。別の言い方をするなら、あれもこれも、たくさんの才能を持っているように見える人でも、じつのところそれはたったひとつの核が形を変えたものだったりするのです。

 だから自分に自信を持てない人は、足りないところばかり見ていないで、まずは強みのほうに目を向けましょう。ひとつでもいいから、誰にも負けない強みを見つけることができたなら、それを大いに誇り、自信を持っていいのです。

 どんな自信家だって失敗すれば落ち込むし、ときには自信を喪失してしまうこともあります。そのようなときの療法として効果的なのが、「好きなもの」を10個列挙することです。