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 例えば、2億円、3億円もらいましたって生活は安定するけれど、でも誰からも必要とされていない。ミュージシャンなんかは特にそうで、需要がなくなりましたってすごく地獄だと思う。それこそ(MOROHAを組む)UKが休養でライブができない状態になった時に、それはすごく考えた。金じゃないんだなやっぱってすごく思った。

©佐藤亘/文藝春秋

音楽はいつまで聴いてくれるか分からない

――需要でいえば、武道館でライブをやるくらい必要とはされている感覚も同時にあるのでは。

アフロ 特殊だなと思うのは、MOROHAって「聴いていた時期があった」っていうのがあると思うんですよね。わかります?

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――ある程度、人生に成功する、満たされると聞かない人も出てくるということですよね。

アフロ そうそうそう、卒業がある気がするのね。でもそれを肯定したい。ちょっと前まではMOROHAなんて、いつまでも聴くような音楽じゃねえと思ってたし。だから武道館に来た人たちが、いい意味で、5年後にいてくれるかわからないよね。ビジネス的には最低。わはは。

©佐藤亘/文藝春秋

次の15年間の目標は…

――ご自身的には武道館が終わった時の感想は。

アフロ いろんなところで話してるんですけど、同業者の招待リストがもう本当にスカスカだったんですよ、俺ら。本当に招待客が少なくて。

 MOROHAを組んでから友達に来てもらうんじゃなく、お客だけでパンパンにできるようにしようと思ってやってきたんだけど、武道館までやった時に、人間として非常に貧しいことに。プロミュージシャンとしてはいいけど、同じ音楽というところで頑張ってきた仲間が、ほぼ誰も見にきてない。これまである種すごく寂しい音楽人生だったかもねっていう話をUKとして。

 じゃあ次の15年間は、お客と同じぐらい一緒に仕事した方で「ああ、あいつら良いやつだから行ってやろうか」って来てくれる人がいる15年にしたいよねって話をして。そこから結構ね、2人ともチャンネルが変わった気がします、なんか。