風船爆弾をつくった少女たちの抵抗

戦後80年 特別寄稿 あの戦争と私

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「どうしてわたしは知らされていなかったんだろう」。それは、ないことにされたままの歴史

 うゐのおくやま け()こえて
 あさきゆめみし ゑひもせす


 一昨年の夏、我が家のプランターには、どうにも見慣れぬ斑模様の茎をもち傘のように葉を広げる奇妙な植物が、ぐんぐんと育っていた。

 コンニャクである。

 私は味噌田楽だとか、ダイエットようのコンニャクゼリーなんかでコンニャクを食べることはあっても、コンニャクというあの半透明で弾力のある物体が、果たしていったい何からどんな風にできるのか、長年全く想像したこともなかった。

 コンニャクは、コンニャク芋からつくられている。

 とはいえ、コンニャク芋というのは1年植えただけではその芋がまだ小さくしか成長しないから、秋に地中から掘り出し冬には倉庫へ寝かせ、春にまた植え、2年目、あるいはそれを更に繰り返した3年目に掘り出した芋を使うという。しかも、同じ畑に植えると連作障害がおきるから、一度掘り出したコンニャク芋は、翌年また別の畑に植え直さなくてはならない。ようするに、えらく手間がかかる食べ物である(その割にはスーパーで売っているコンニャクが安すぎやしないだろうか)。

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source : 文藝春秋 2025年8月号

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