8トンの土を運び、「ターン! ターン!」と叩き固める…大相撲の土俵造りをする“呼出さん”の熱量に触れて

vol.133

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エンタメ スポーツ

 大混戦の大相撲九州場所が、いよいよ千秋楽を迎えます。

 優勝杯が誰の手に渡るのか気になるところですが、熱戦と一緒に注目したいのが、“土俵下”で力士たちを支える裏方さんたちの存在です。

「文藝春秋」12月号では、呼出さんたちが土俵を造る「土俵築(どひょうつき)」の様子を追ったグラビア特集『土俵を築る』、呼出の克之さんへのインタビュー『土を叩き固め、神を宿す――伝統の妙技 「土俵築」』、そしてライター・佐藤祥子さんの連載「大相撲新風録」で、呼出さんと行司さんの、通常表には出ないお仕事に光を当てています。

呼出・克之氏 ©ワンダン・ダワー

 土俵がすべて手造りであることは、ご存じでしょうか。先場所の土俵をいったん壊し、新たに土を盛り、何度も叩いて固めていく。詳しくはぜひグラビアと特集記事をご覧いただきたいですが、普段は土俵上で力士の四股名を張りのある声で呼び上げている呼出さんたちが、総出で3日がかりで造り上げていくのです。私も九月場所の土俵築の撮影に立ち会い、想像をはるかに超える力仕事に驚かされました。

 土俵築の間は、土俵を叩く「ターン! ターン!」という音が国技館に響き渡り、体の芯にまでずんと届いてくるよう。8トンもの土を運び叩き固める呼出さんたちが、皆さん思った以上に筋肉質なのも印象的でした。

©文藝春秋

 また、行司さんといえば、土俵上で「のこった、のこった」と軽やかに立ち回る姿を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は番付表の文字を書いたり、全国の巡業の手配を担ったりと、多岐にわたる仕事を背負っています。特に10月に行われたロンドン公演の準備は、なんと1年がかり。ほとんどツアーコンダクターさながらの奔走ぶりだったといいます。

 地方巡業の取材で行司さんとお会いすると、皆さんせかせかと忙しそうにされているのですが、その理由がよく分かりました。

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