【エ】SNSが情報提供の場ではなくなった時代に

飯間 浩明 『三省堂国語辞典』編集委員

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国語辞典編纂者の飯間浩明さんが“日本語のフシギ”を解き明かしていくコラムです

 かつて「ツイッター」と呼ばれたSNSが、2023年7月にブランド名を「X」と変えてから3年がたちました。Xは従来との違いを鮮明にし、今ではまともな情報提供の場という性質をほとんど失った観があります。この場で文章を投稿する意味について、私は考え込むことが多くなりました。

 改称後、このSNSがまず推進したのは発言の収益化でした。一定の条件を満たすユーザーは、投稿が広く読まれ、反応を集めることで収益を得られるようになりました。このシステムは投稿の動機をゆがめる原因になります。

 もちろん、投稿を多くの人に読んでほしいという気持ちは、収益化されるかどうかにかかわらず、誰でも持っています。とはいえ、「得にはならないけど書いておきたい」という文章と、「儲ける目的で書く」という文章との間には、おのずと違いが生まれます。

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source : 文藝春秋 2026年9月号

genre : ニュース 読書