トレーナーでもある父親が語る、最強を作った“三人四脚”の歩み
(構成 二宮寿朗)
「日本ボクシング史上最高傑作」と称される兄・井上尚弥、そして現・WBC世界バンタム級王者の弟・井上拓真。彼ら最強兄弟の父であり、トレーナーを務めるのが、井上真吾氏(55)である。本業の傍らアマチュアボクサーとしても活動していた真吾氏が、幼少期から2人にボクシングの手ほどきをしたのは有名だ。以来、“三人四脚”の歩みで2人を王者にまで育て上げた。
9月27日に拓真の防衛戦を控える最中、真吾氏が語った井上家の“教育論”とは。
──2人がボクシングを始めたのは2000年、尚弥選手が小1、2歳下の拓真選手は幼稚園の年中でした。もし子供たちが「ボクシングをやりたい」と言わなかったら……。
井上 2人ともやっていなかったでしょうね。自分は自分のトレーニングに必死でしたから、子供たちにやってほしいなんて考えたこともない。ボクシングは殴り合いのスポーツで、ほかの人気スポーツとは違って命にかかわる。生半可な気持ちではやらせられないですよ。
──2人に将来こうなってほしい、という考えはありました?
井上 いずれ自分が立ち上げた会社(明成塗装)に入って仕事をして、いろんなことを覚えて独立してくれたらっていうのはぼんやりありましたよ。同じ職人としてやっていけたらいいなって。
──幼いながらも、ボクシングに対する2人の意志が本物だと確信して、教えるようになります。
井上 実を言うと心配もあって、躊躇もなかったわけじゃない。その意味では家内(妻・美穂さん)のほうが内面的に強い。ボクシングをやると子供たちが決めてからは自分が2人にいくらきついことを言っても「父さんは間違っていない」と見守ってサポートしてくれましたから。
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