日本経済 平成は「敗北」の時代だった

経済同友会代表幹事・小林喜光が覚悟の直言

小林 喜光 経済同友会代表幹事
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4月退任を目の前に覚悟の直言

小林喜光氏 ©文藝春秋

 平成の30年間を振り返ると、日本にとっては「敗北の時代」だったと言えます。私がさまざまな場面で「敗北」と明言すると、周りは大騒ぎになるのですが、これは紛れもない事実であり、真摯に受け止めなければ日本の再起はあり得ません。

 私は昨年12月、経済同友会の代表幹事として、提言「Japan2.0 最適化社会の設計―モノからコト、そしてココロへ―」を取りまとめ、発表しました。2020年東京オリンピック・パラリンピック後から戦後100年である2045年までの国のあるべき姿をまとめたもので、A4用紙で約50枚に及びます。

 今回はこの提言の核となる部分をあらためて述べたいと思います。

 まず、日本経済の行く末を考えたとき、喫緊かつ最重要の課題は、増え続ける政府債務のコントロールです。現在、国と地方の債務残高は約1100兆円で、名目GDP(国内総生産)の約2倍にのぼる深刻な状況に陥っています。

 第2次安倍晋三内閣発足からの約6年間で、名目GDPは約55兆円増えました。しかし国と地方の債務は175兆円ほど増えています。やはり債務残高が1000兆円以上もあると、いくら金利を抑えても、その負担は非常に大きいのです。

 そのため、これまでも同友会では債務の返済、つまり財政を健全化するために「消費税率引き上げが必須だ」と言い飽きるほど訴えてきました。

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source : 文藝春秋 2019年4月号

genre : ニュース 社会 政治 経済