リニアは真に必要か
3月号の葛西敬之氏、森地茂氏、松井孝典氏による鼎談『リニアはなぜ必要か?』を読み、「あぁ、また同じことを繰り返すのか」と強い危惧を抱きました。「同じこと」というのは、原子力発電導入時のことです。
私が電気技術者として世に出た頃、日本は高度成長期に差し掛かり工業立国を標榜し勢いづいていました。電力需要も高まり、従来の石炭火力発電だけでは限界が見えてきた。
そこで、原子力発電の構想が急激に実用化に向け動きだしたのです。
その将来性に興味を持った私の友人も、原子力分野の仕事に携わるようになりました。技術としては未成熟な部分も多い、とその友人の話を聞きながら、私も同業技術者として関心を持ち続けました。
結果は、3・11の後の報道に見る通り。未だ解決の糸口さえも見えません。
つまり、スタート時の未成熟、未解決の問題がそのまま無視され続けてきていたのです。
技術的解決の見通しを持たず、政治的思惑に押されて見切り発車したとも言えるでしょう。
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source : 文藝春秋 2022年4月号