南海トラフ地震はいつ起こるか?

専門家による最新研究

鎌田 浩毅 京都大学名誉教授・京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授
長尾 年恭 東海大学客員教授
中島 淳一 東京工業大学教授
ニュース 社会
被害は東日本大震災の10倍! 首都直下地震、富士山噴火にも備えよ。
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(左から)鎌田氏、長尾氏、中島氏

「大地変動の時代」

 鎌田 最近、首都圏で大きな地震が立て続けに起きているので、不安に感じておられる方も多いでしょう。昨年10月7日に千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9の強い地震が起きて、東京や埼玉の一部で震度5強を観測しました。東京23区内でこのレベルの揺れが観測されたのは、11年前の東日本大震災以来のことです。

 中島 あくまで体感的なものですが、ここ数年、ちょっと多いなという印象が私にもあります。ただ、この10月7日の地震は「地震の巣」と言われている場所なので、異常な現象だと心配する必要はありません。

 長尾 2005年にも、ほぼ同じ深さ、場所、規模の地震が起きています。

 中島 そうですね。関東地方にはいくつも地震の巣があり、そこで多くの地震が発生しています。

 長尾 私が気になるのは、これまで比較的、地震が無かった場所で、また発生するようになったことです。昨年12月3日に山梨県東部で、ひさしぶりにマグニチュード5クラスの地震が起きました。この地域は3・11以降、なりをひそめていたのですが、また増えてきました。

 鎌田 私は3・11を境に、地震や噴火が続く「大地変動の時代」へ日本は1000年ぶりに突入したと考えています。私たちの命を脅かす大災害がいつ起こっても不思議ではない。そこで大事になるのが科学的に正確な知識です。

 長尾 同感です。私は長年、科学にもとづく地震予知に取り組んできましたが、予知の世界はアマチュアのマユツバ情報が多い(笑)。災害情報のリテラシー(理解力)がないとデマに惑わされてしまいます。

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source : 文藝春秋 2022年4月号

genre : ニュース 社会