立木義浩(たつき よしひろ・写真家)
写真=深野未季(本社)
21歳で写真の世界に飛び込み、半世紀以上にわたり第一線で活躍してきた立木義浩(84)。写真家にとっての至上命題は、「観察する」ことだと語る。
「この人をいきいきと撮るにはどうしたらいいだろう……と常に被写体を観察して、察知する能力が必要とされる。『いきいき』というのは、目が輝いているとか単純なものではなくて、いかにその人の生き様や人生を切り取れるかということ」
広告・雑誌・出版など幅広い分野を横断し、あらゆる種類の写真を撮り尽くしてきたように見える。今後撮りたいものは?
「スナップ写真は全然飽きないよね。例えるなら蟻地獄みたいで、始まったら終わりがないのよ。四六時中カメラを持って、何か撮らなきゃいけないという強迫観念が付き纏う。しんどいけど、台本がないぶんいつも新鮮な感動がある。死ぬまで撮り続けると思うんだよな」
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source : 文藝春秋 2022年6月号