女性漫画家たちの“舞台裏”
「少女漫画」という言葉は、なんとなくレトロに感じられる。今や漫画は未成年者の読み物にとどまらず、対象読者の性別を選ぶわけでもない。それでも「少女漫画」の系譜をひくスタイルは確かにあって、華やかな絵柄や精緻な心理描写などは、少女漫画家たちが開拓し、築き上げてきたものだ。
「週刊文春」の名物連載「新・家の履歴書」の中から、1970年代までにデビューした少女漫画家12名の記事をまとめたのが本書である。少女漫画の黎明期から黄金期に活躍した大御所たちが、「家」の記憶とともに半生を振り返る。少女漫画史のエポックメーキングな作品が次々と登場し、それらを読んで育った私の脳内でも、心に刺さった決め台詞やカラーページが鮮やかに再現されたのであった。
巻頭を飾るのはレジェンド水野英子。1939年に下関市で生まれ、中学卒業後の2年間は漁網工場で働きながら漫画を描いていたという。手塚治虫の『リボンの騎士』に続く、少女向け西洋ロマンの描き手として期待され、初の長編連載が実現した。1958年、赤塚不二夫・石森章太郎との合作のために上京、伝説のアパート、トキワ荘に入居した。
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source : 文藝春秋 2022年7月号