西室泰三、篠沢秀夫、徳川慶朝、三條正人、ヒュー・ヘフナー

蓋棺録

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 元日本郵政社長の西室泰三(にしむろたいぞう)は、東芝社長をへてのち、東京証券取引所や日本郵政など、公共性が高く課題の多い企業の経営を引き受けた。

 2013(平成25)年6月、日本郵政社長に就任する。前年より郵政民営化委員会委員長を務めていたが、楽なポストではなかった。郵便物数は急速に減り、規模縮小の方針のため、貯金残高や保険契約数は激減していた。

「いま、私がいえることは、もっと経営の自由度がほしいということです」

 1935(昭和10)年、山梨県都留市に生まれる。実家は絹織物の染色業者だったが、父親の方針で朝食前に論語の素読をさせられた。私立武蔵中学・高校をへて、慶應義塾大学経済学部に入学する。

 卒業後は東芝に就職し、29歳のときアメリカに赴任して、真空管をはじめとする部品の販売に従事した。あるテレビメーカーでは、7時間待たされたが、副社長を説得して契約をとった。

「このときには、途中で放り出して帰りたくなりました」

 滞米中にはジャズやショーに魅せられ、頻繁に通って食事代がなくなったこともあった。3年間東芝アメリカ社で働き、一時帰国して71年から再びアメリカに赴き、75年に同社副社長。本社で電子部品国際部長などを経験して、92年から取締役兼東芝アメリカ社副会長を務めた。

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source : 文藝春秋 2017年12月号

genre : エンタメ 芸能