欧米発の健康法は間違いだらけ
テレビ、雑誌、インターネットなどで、健康法や病気予防の話題を見ない日はないほど、世間には多くの情報が溢れています。ところが、必ずしも日本人の体質に合っていないものが多いことは、あまり知られていません。
たとえば最近、オリーブ油が健康に良いと言われています。7カ国が参加した大規模なコホート研究(ある集団を長期にわたって調査する研究方法)で、地中海沿岸地域は心臓病による死亡率が低いことがわかり、この地域の人々が伝統的に摂取しているオリーブ油に注目が集まりました。その後の研究でオリーブ油に含まれるオレイン酸に心臓病を防ぐ効果があることが判明しました。
ただ、世界的に見ると日本は地中海地域より心臓病が少なく、心筋梗塞の発症率が最も少ない国の1つで、心臓病や動脈硬化を予防するために、地中海の食生活を真似る必要はないのです。それどころか、日本人が必要以上にオリーブ油を摂取すると、生活習慣病の原因となる内臓脂肪が増えてしまいます。オリーブ油が健康的だといっても、油である以上、大さじ1杯で約110キロカロリーもあるからです。欧米人は日本人と違って、内臓脂肪より皮下脂肪がつきやすい体質なので、さほど問題が生じないのでしょう。
このように巷で喧伝されている健康法の多くは、欧米人を対象にした研究成果が元となっており、そのまま日本人の体質に合うとは限らないのです。
それでは、日本人と欧米人では、どのように体質が違っているのでしょうか。
たとえば、同じ薬でも日本人と欧米人では効き方が違います。日本人は一般に薬が効きやすく、欧米人が服用する量では強すぎる場合が多いのです。それは体格差ではなく遺伝子の違いにあり、意外なことに耳アカが関係しています。
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source : 文藝春秋 2017年05月号