「闇はいい。チェイニー、ダース・ベイダー、悪魔。これらは力だ」

　これは映画のなかの台詞ではない。トランプ大統領がホワイトハウスで最も信頼していると言われる、スティーブ・バノン氏の言葉だ。

　首席戦略官としてホワイトハウス入りしたバノン氏は、NSC（国家安全保障会議）の常任メンバーにも選ばれた。NSCはアメリカの安全保障政策を議論する場で、軍事介入するかどうかといった、世界に大きな影響を与える政策についても話し合う。そのメンバーになったバノン氏は、こんな発言もしている。

「中東で再び大規模な戦争が起きる」

「5年から10年以内に南シナ海で米中戦争になる」

　こうした見通しを持つ人間が、トランプ政権のど真ん中に入ったのだ。アメリカの良識ある人々が腰を抜かすほど驚いたのは想像にかたくない。実際、彼が主導した入国禁止の大統領令は、さっそく多くの人々を混乱に陥れた。

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