東芝社外取締役の責任、沈みゆく三菱重工、楽天に効く漢方薬は、コロワイド急成長の代償

丸の内コンフィデンシャル

ビジネス 企業

★社外取締役とは何か

 いよいよ東芝(綱川智社長)の解体が始まった。2017年3月期連結決算で巨額損失を計上、昨年度3月期と併せ累計損失は1兆円規模に陥る見通しとなった。

 そこで稼ぎ頭の半導体事業を4月1日に東芝メモリとして分社化、その株式を売却する。社長は半導体部門のトップである成毛康雄副社長が務める。成毛氏は「昨年、室町正志社長の後任として、現社長とともに名前も上がった実力者」(同社社員)だ。

 東芝メモリの企業価値は1兆5000億〜2兆円と試算されている。株式を売却し、1兆円以上の資金を調達する予定だが、足下を見られ、売却交渉が難航する可能性は十分にある。楽観視は出来ない。

 さらにここにきて社外取締役に対し「有名人を揃えたのに、経営を監視する役割を果たせなかった」(同社元役員)という厳しい声が出ている。確かに経済同友会代表幹事の小林喜光氏を筆頭に、アサヒビール元会長の池田弘一氏、資生堂元会長の前田新造氏、元最高裁判事の古田佑紀氏、元監査法人トーマツCEOの佐藤良二氏、元金融庁証券取引等監視委員会委員の野田晃子氏ら錚々たる顔ぶれだ。

 しかし、「彼らは“東芝のドン”と呼ばれた西室泰三名誉顧問が口説いて就任して貰ったメンバー。それゆえ、社外取締役らで構成される指名委員会が、志賀重範会長、綱川社長を指名した際にも西室氏の意向が働いた」(同前)と言われている。志賀氏は崩壊の元凶・米ウェスチングハウスの会長も務めた“戦犯”で、反対の声もあったが強行指名された。さらなる巨額損失が発覚し、2月に退任が発表されたが、元々会長に相応しい人物ではなかった。

 東芝の危急存亡に際して、社外取締役が監督機能を十全に果たしたとは言いがたい。社外取締役の責任とは何か、を改めて考えるべきだろう。

★沈みゆく三菱重工

 東芝に続き、三菱重工業(宮永俊一社長兼CEO)も経営不振の真っ只中。四重苦が名門企業を襲っている。

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source : 文藝春秋 2017年04月号

genre : ビジネス 企業