評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。
原爆投下や終戦の記念日が巡り来る8月に放送局、新聞社は毎年、戦争関係の番組や記事を作る。一色に染まらない多彩な新書の世界も、この夏はウクライナ侵攻関係も加わって、戦争について考えさせる新刊が多く揃った印象だ。
太田尚樹『南洋の日本人町』(平凡社新書)は東南アジアに進出した日本人の足跡を追う。南洋との交流は、江戸の鎖国で一度は途絶えるが維新後に蘇る。フィリピン、シンガポール、マレーシア……、著者はかつての日本人町の跡を訪ね、花と果実の甘い匂いが漂う、熱を帯びた空気の中で繰り広げられた在留邦人たちの暮らしに思いを馳せる。
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source : 文藝春秋 2022年10月号