もらった命だ、捨て身で生きるぞ

80歳の同級生対談

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昭和7年に生まれ、戦火を生きのびた二人の少年。命を削り、なお第一線を走る原動力とは

三浦雄一郎氏と仲代達矢氏(右) ©文藝春秋

 仲代 五月の世界最高齢でのエベレスト登頂、ほんとうにおめでとうございます。もう疲れはとれましたか。

 三浦 ありがとうございます。この年になると、いつも疲れていますよ(笑)。それにね、エベレストだとかヒマラヤというのは、健康なところじゃないですよ。病気になりに行くようなものです。極端に言うと、死の世界を垣間見て帰ってくる。だから、帰ったらどう回復させるかが大事です。はじめの一か月ぐらいは朦朧として、まだ三か月足らず。年のせいもあってか、疲れが体の芯から抜けませんね。

 仲代 それはそうですよ。我々は昭和七年生まれ。もう八十歳ですから。

 三浦 東京の旧制十二中、学制改革後の都立千歳高校の同級生として、日産自動車の塙義一さんと三人で「文藝春秋」の同級生交歓にも出ましたね。あれから、もう六年ですか。

 仲代 三浦さんは十二中の昼間部で、私は千歳高校になってからの夜間部。登校時に、下校する昼間部の人たちとすれ違うんですよね。それで、私はなんとなく遠回りして学校へ行った記憶もあります。

 三浦 あの頃は、まだ学校にも周辺にも戦災の跡が残っていましたね。学校の窓も半分くらいはトタンみたいなもので、昼でも窓を開けないと暗かったのを覚えています。

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source : 文藝春秋 2013年10月号

genre : ライフ ライフスタイル