秋篠宮殿下(57)は令和に入り、皇位継承順位1位の皇嗣になられた。学習院で幼稚園以来の同級生である衆議院議員の堀内詔子氏が幼き日の殿下の姿を振り返る。
秋篠宮皇嗣殿下は現在、紀子妃殿下と共にますますお忙しく重責を担われている。そのお姿に同級生の一人として遠くからご活躍をお祈りしている。
この度、殿下のエピソードを同級生として寄稿するようお話をいただいた。今から約半世紀前のこと、男の子は男の子同士、女の子は女の子同士で遊ぶのが大半の時代で、私自身殿下とご一緒に遊んだ記憶はほとんどない。その中で一つだけ今でも鮮やかに思い出されるエピソードを記して、殿下の明るく優しいお姿をお伝えできたらと思う。
秋篠宮殿下と私は幼稚園、初等科(小学校)、大学を同じ学び舎に通った。幼稚園は2年保育で1学年2クラスあり、1クラスに25人位の園児がいたと記憶している。
ある日、全クラス共通で使用する「お遊戯室」に蛇がやって来た。私共の学年は昭和40年の巳年生まれが多かったから見せようという先生方の親心だったのかもしれない。
怖いもの見たさでお遊戯室に入って行った私に、先にいらしていた殿下がケースの中の蛇をいとも簡単につかんで見せてくださった。びっくりした私が10歩位後ずさりをすると、殿下はニコッとお笑いになって、「怖がらなくてもだいじょうぶだよ」というご様子で、長い蛇をさらに高く掲げて見せてくださった。
そして、殿下が触っていらっしゃるご様子を目を丸くしてみている内に、最初は少し怖いと思っていた蛇が不思議と怖くなくなっていった。
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source : 文藝春秋 2023年1月号