読者からのお便り 2020年5月号

三人の卓子

ニュース オピニオン

学ぶ楽しさ

 文藝春秋4月号に掲載された桜美林大学教授・芳沢光雄氏の『「%がわからない大学生」の読解力』を拝読しました。これには私も同感です。大袈裟かもしれませんが、これからの日本を担う青年たちはこのままでいいのか、と不安に思う人は私ばかりではないと思います。

 なぜこのような状況になったのか。まずは「数学力の低下」を嘆く前に、「教育方法の見直し」を進めていかなければならない段階ではないかと思います。

 時代が違うと言われればそれまでですが、私が小学生の頃は先生が授業でいろいろな工夫をしてくれました。例えば、リンゴの分け方やクラスの男女の分け方など、先生が自作したクイズ形式の問題を、クラスの皆でわいわい楽しみながら解いた記憶があります。先生には様々な手間があったことと思います。でもあの時は、授業は楽しかったし、面白かった。早く次の回が来ないかと、待ち望んだものです。数学の授業がそのような、「学ぶ楽しさ」という原点に立ち返ることを願います。

 問題を読む、先生の話を聞いて考える、自分で図形化して考えてみる。そのようなプロセスを踏み、自分の頭のなかで問題を整理して組立てをするという授業ができれば、数学教育はきっと良い方向に変化すると信じます。(瀬﨑楠久)

客船の思い出

 4月号の特集『「新型肺炎」中国と日本の大罪』を読みました。政府は感染者数のピークを抑える為に全国一斉休校の措置などをとっています。ですが、日々感染者数が増える中で、今の状況はグラフの波のどの辺りなのか分からず、私も含めて国民は不安が増していると思います。

 ダイヤモンド・プリンセス号での集団感染の状況を見ていると、私が22年ほど前、大学1回生の時に参加した「大学洋上セミナー」を思い出します。兵庫県下の大学生の希望者がおりえんとびいなす号に乗船し、40日間にわたってアジア・環太平洋地域の国を訪問し、現地の大学生と交流しました。船上で過ごす間、哀しい哉、私は船酔いに悩まされていました。4人部屋で窓はありましたが、それが開かず密閉感を抱いていました。

 ダイヤモンド・プリンセス号の記事『豪華客船「船内隔離」14日間の真実』を読んでいると、船の密閉感というのを思い出しました。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2020年5月号

genre : ニュース オピニオン