学ぶ楽しさ
文藝春秋4月号に掲載された桜美林大学教授・芳沢光雄氏の『「%がわからない大学生」の読解力』を拝読しました。これには私も同感です。大袈裟かもしれませんが、これからの日本を担う青年たちはこのままでいいのか、と不安に思う人は私ばかりではないと思います。
なぜこのような状況になったのか。まずは「数学力の低下」を嘆く前に、「教育方法の見直し」を進めていかなければならない段階ではないかと思います。
時代が違うと言われればそれまでですが、私が小学生の頃は先生が授業でいろいろな工夫をしてくれました。例えば、リンゴの分け方やクラスの男女の分け方など、先生が自作したクイズ形式の問題を、クラスの皆でわいわい楽しみながら解いた記憶があります。先生には様々な手間があったことと思います。でもあの時は、授業は楽しかったし、面白かった。早く次の回が来ないかと、待ち望んだものです。数学の授業がそのような、「学ぶ楽しさ」という原点に立ち返ることを願います。
問題を読む、先生の話を聞いて考える、自分で図形化して考えてみる。そのようなプロセスを踏み、自分の頭のなかで問題を整理して組立てをするという授業ができれば、数学教育はきっと良い方向に変化すると信じます。(瀬﨑楠久)
客船の思い出
4月号の特集『「新型肺炎」中国と日本の大罪』を読みました。政府は感染者数のピークを抑える為に全国一斉休校の措置などをとっています。ですが、日々感染者数が増える中で、今の状況はグラフの波のどの辺りなのか分からず、私も含めて国民は不安が増していると思います。
ダイヤモンド・プリンセス号での集団感染の状況を見ていると、私が22年ほど前、大学1回生の時に参加した「大学洋上セミナー」を思い出します。兵庫県下の大学生の希望者がおりえんとびいなす号に乗船し、40日間にわたってアジア・環太平洋地域の国を訪問し、現地の大学生と交流しました。船上で過ごす間、哀しい哉、私は船酔いに悩まされていました。4人部屋で窓はありましたが、それが開かず密閉感を抱いていました。
ダイヤモンド・プリンセス号の記事『豪華客船「船内隔離」14日間の真実』を読んでいると、船の密閉感というのを思い出しました。
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source : 文藝春秋 2020年5月号