国民を守るビジョンを
7月15日現在、新型コロナの感染者数は83万人台、死者数は1万5000人台。感染者数は11都道府県で約8割、1都3県で4割以上、東京都だけで2割以上を占める。死者数は東日本大震災の約1万6000人に迫る。
「どうやら、東京五輪・パラリンピックに突入しそうだ」と始まり、「五輪を開催して、大丈夫だろうか」と結んだ8月号の辰濃哲郎氏の『「五輪強行」科学は政官に歪められた』を読み、この1年半、科学的データや感染症専門家たちの警告を骨抜きにしてきた実態が透けて見えてきた。
この状況は、情報を軽視し、戦略もあいまいでアメリカを敵に回した真珠湾攻撃と重なった。その結果、当時多くの国民が犠牲となった。
敗戦後の日本は、高度成長と東京五輪開催で経済大国2位に躍り出た。しかし、バブル崩壊とデフレ経済から金融・財政危機を抱え、東日本大震災から原発危機に直面した。
安倍前政権はアベノミクスと東京五輪・大阪IRや万博で2匹目のドジョウを狙った。
政策を継承した菅政権は、ワクチン接種が進んだとして無観客開催の東京五輪に踏み切った。人流抑制は効かず、変異株による感染再拡大で医療危機を招き、再び国民が犠牲となる。
しかも世論調査で判るように、政府は国民を敵に回したようだ。菅政権はコロナ禍で真価が問われることになる。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2021年9月号