岸田総理に身を切る覚悟を問う(聞き手 岩田明子・政治外交ジャーナリスト)
政治家を引退してからは、本を書いたり、講演を行ったりしています。もちろん有料でね(笑)。テレビの仕事も少しずつやっていますが、僕はある意味で橋下(徹)さんよりも維新の会の色が付いているので、番組出演の仕方も考えながらです。
あとは孫の子守。もうすぐ60を迎える身としては、これがなかなかきつくてね。2歳とゼロ歳の子がいて、娘に言われて週2回、フルタイムで面倒を見てるんですわ。
4月の統一地方選で、松井一郎氏(59)が率いる「日本維新の会」は奈良県知事選や和歌山の衆院補選で勝利し、首長・地方議員599人を当選させ、合計が774人になるなど大躍進を遂げた。一方で、松井氏は以前からの宣言通り、大阪市長の任期を終え、政界を引退。この先、維新の会はどのように勢力を拡大していくのか。また、自民党と維新の会が蜜月関係を築く中で、安倍晋三や菅義偉など、時の総理たちとどのような接触を重ねてきたのか――。20年以上、安倍番を務め、松井氏にも取材を続けてきた岩田明子氏が聞いた。
なぜ、政治家をやめたのか、よう聞かれますし、中には潔いと言うてくれる人もいます。まず、僕が政治家として活動する源泉は“怒り”なんです。これは20年前に納税者として、「税金の使われ方がおかしいんじゃないの?」と怒りが湧いて大阪府議に出馬した頃から変わりません。ただ、最近はその怒りのスイッチが入らなくなってきてね。それが政界引退の最大の理由です。
大阪府と市の馴れ合い、ぬるま湯体質にこそ税金の一番の無駄遣いの原因があった。政治家になった当時は、それを知ってもう本当に腹が立ったわけです。だから、橋下さんと2人で一緒に維新の会を立ち上げて、大阪府と市の二重行政を解消し、仕組みを作り直す「大阪都構想」を政策目標に掲げた。2015年と20年の二度にわたり住民投票でチャレンジしましたが、惜しくも二度とも否決・廃案に終わりました。
一度目は得票率わずか0.8ポイントの差での敗北で、当時、維新の会の代表だった橋下さんは、けじめをつけるために政界を引退しています。二度目も負ければ、今度は僕が責任を取って、2023年4月の大阪市長の任期で辞めることは、以前からはっきり言っていました。
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source : 文藝春秋 2023年7月号