1991 0909
ローラースケートを履いた7人の男子達がおぼつかない足元で立っている。晴海埠頭から入り込む風で倒れそうな少年もいる。
その真っ白な野外の特設ステージに立つ7人に見覚えはなく、どう見ても「未完成」な7人なのに、中学3年の自分と同じ年くらいの7人を沢山の女子が囲み「キャー」という歓声をあげている。
ローラースケートを履いたその未完成な7人の男子達が、曲が流れるとローラースケートで走り出しながら歌い出す。
そんな未完成すぎる7人への歓声がさらに大きくなっていく。
なんだこいつら! こんな奴ら売れるわけがないと自分を納得させる。
自分が15年間生きてきて、人生で初めて感じた種類の嫉妬だった。
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source : 文藝春秋 2023年8月号