いたるところに三田会あり──その人脈

慶應義塾の人脈と金脈 1

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塾員ネットワークの想定外の広がり

 東京都港区の慶應義塾大学三田キャンパス。奇数月の20日前後の13時40分頃になると、何台もの高級車が集まってくる。車から次々と降りてくる身なりの良い紳士たち。向かうのはゴシック式洋風建築の図書館旧館だ。建物前には創立者・福澤諭吉の胸像が鎮座している(改修工事で別の場所に移設)。

 続々と2階の通称“大会議室”へと上がっていく彼らは、慶應義塾評議員会のメンバーである。2006年に最年少(31歳)で当選、10年まで評議員を務めた西富亮介氏が解説する。

「私は歩いて行っていましたが、約100人いる評議員の多くは財界の重鎮。高齢の方も多く、社用車などで来ていました。大会議室には長机が何列にも並び、私は一番後列の、一番左端に座っていました。現在は図書館旧館ではなく、キャンパス内の別の場所で行われています」

 現評議員の名簿を見てみると、著名人がズラリ並ぶ。経済界ではサントリーHD会長の佐治信忠氏、大林組会長の大林剛郎氏、麻生セメント会長の麻生泰氏。他分野も大物揃いで、武者小路千家家元の千宗守氏、昭和天皇の孫で森ビル特別顧問の壬生基博氏も名を連ねている。西富氏が語る。

「基本的に評議員は、慶應を卒業し、社会で功成り名を遂げた塾員が座るポジション。慶應義塾の最高議決機関という位置づけですから」

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 8月23日、夏の甲子園大会決勝。慶應義塾高(塾高)は仙台育英高を破り、107年ぶりとなる優勝を果たした。

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source : 文藝春秋 2023年11月号

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