追悼・所ゆきよし 「赤坂太郎」を描いて40年の軌跡

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所の仕事場。ここで最期まで描き続けた ©文藝春秋

 1960(昭和35)年から続く小誌の名物政治コラム「赤坂太郎」から、所ゆきよしのカットが消えて、早くも3カ月がたった。

 おおば比呂司、クロイワ・カズ、前川しんすけに続いて、所がバトンを受け継いだのは1984(昭和59)年6月号のこと。初回に描いたのは、二階堂進を副総裁に指名した中曽根康弘首相に憤る福田赳夫の姿だった。

所が初めて描いた「赤坂太郎」(1984年6月号)

 以来、約40年の長きにわたって、所は「赤坂太郎」で第72代から第101代まで、首相20人の顔を描いた。

 享年76。1年ほど前から胃がんを患っていた。判明したときにはすでにステージⅣ。医師から余命宣告もされていたという。

「ご迷惑をかけてはいけないので、一度は赤坂太郎の連載を辞退したいと申し出たのですが、担当編集者の方から励まされて、所はできる限り描き続けることにしたんです」

 最期まで寄り添った夫人の登美子さんは言う。

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