LINEとヤフーの格差、小林製薬社外取の姿勢、東宝と松竹の明暗、MBOを狙う新手法

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★LINEとヤフーの格差

 2度目の「行政指導」という異例の事態だ。総務省は4月16日、大規模な情報漏洩問題に対する対策が不十分であるとして、LINEヤフー(出澤剛社長CEO)に、3月5日に続き行政指導を行った。LINEヤフーは韓国資本の系列会社・NAVERクラウドにITインフラの運用を委託。同社が不正アクセスを受けたことで、通信アプリ「LINE」の通信情報が外部に流出していた。

 LINEヤフーの親会社は、NAVERグループとソフトバンク(宮川潤一社長兼CEO)が折半出資する中間持ち株会社だ。総務省は1度目の行政指導で、NAVERグループへの委託縮小や、ソフトバンクによる資本的関与を求める要請を出していた。

「だが業務委託の縮小・終了の時期を明示せず、資本関係の見直しも具体策を出さなかったため、2度目に繋がった」(経済部記者)

 LINEアプリの情報管理のずさんさは、幾度も露呈している。たとえば2021年3月、業務委託先の中国の会社が、日本国内の個人情報を閲覧可能だったことが明らかになった。

 背景には「LINE寄り」の人事も関係している。23年4月には共同CEOだったヤフー側の川邊健太郎氏が会長となり、出澤氏の単独CEO体制となった。出澤氏はもともとライブドアの社長。10年にLINEの前身会社NHNジャパンにライブドアが買収された後、LINEの社長に上り詰めた人物だ。

 川邊氏がCEO職を外れるタイミングで、NAVERの慎ジュンホ氏が代表取締役に就いた。慎氏の報酬総額は約49億円と、川邊氏の約4億円と比べ破格だ。出澤氏が12億円、LINE誕生時からマーケティングを統括してきた上級執行役員の舛田淳氏が10億円弱。待遇でもヤフー側とLINE側の格差は明らかである(いずれも22年度、ストックオプションの価格を含む)。

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source : 文藝春秋 2024年6月号

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