森鷗外が好んだ東京・湯島「甘味処 みつばち」の元祖小倉アイス

作家が愛した名店 第13回

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小倉アイス(500円)を乗せる錫の器は100年以上使用。「スプーンが当たると『カン、カン』と気持ちの良い音色がするので、音でも涼しさを感じていただけます」(甘味処 みつばち4代目の嶋田有子さん)

森鷗外 Ⓒ文藝春秋

〈父はなんでも上等が好きで、上等な酒、上等な料理、上等な人間、が口癖だった〉

 森鷗外の長女・茉莉は、エッセイ「鷗外の好きなたべもの」でそう綴っている。だが、甘党としても知られる鷗外がこよなく愛したスイーツは、いたってシンプルな小倉アイスだ。

「曾祖母の時代にいらしていたそうです。当店は小倉アイス発祥の店。その昔、売れ残った小豆をアイスクリームを作る桶に入れておいたら、周りが凍っていた。かき混ぜて食べると何とも言えない甘さが。それを改良して小倉アイスが誕生したのです」(嶋田さん)

 アイスの製法は鷗外が通っていた頃から変わらず、北海道産小豆と砂糖、塩、水だけを使った手作り。小豆本来の風味が広がる素朴な味わいに、鷗外は“上等さ”を感じていたのだろう。

1909年の創業時から同じ場所に店を構え続ける

小倉白玉(780円)や、抹茶とバニラのアイスにきなこと黒蜜をかけたサハラ(810円)も人気

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source : 文藝春秋 2024年6月号

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