〈父はなんでも上等が好きで、上等な酒、上等な料理、上等な人間、が口癖だった〉
森鷗外の長女・茉莉は、エッセイ「鷗外の好きなたべもの」でそう綴っている。だが、甘党としても知られる鷗外がこよなく愛したスイーツは、いたってシンプルな小倉アイスだ。
「曾祖母の時代にいらしていたそうです。当店は小倉アイス発祥の店。その昔、売れ残った小豆をアイスクリームを作る桶に入れておいたら、周りが凍っていた。かき混ぜて食べると何とも言えない甘さが。それを改良して小倉アイスが誕生したのです」(嶋田さん)
アイスの製法は鷗外が通っていた頃から変わらず、北海道産小豆と砂糖、塩、水だけを使った手作り。小豆本来の風味が広がる素朴な味わいに、鷗外は“上等さ”を感じていたのだろう。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2024年6月号