「党の歯車となっていた」4回生議員が自戒を込めて緊急提言
▶︎不祥事「原因究明」の体制確立を
▶政策集団は「政治技術」も伝承せよ
▶「73歳定年制」の厳格適用
▶「クオータ制」導入で女性議員を増やせ
▶「政調会」は官民連携で長期的な政策立案を
政治資金パーティーをめぐる政治資金収支報告書への不記載という、いわゆる派閥の裏金問題を契機に、自民党に対する国民の信頼は大きく崩れた。最大派閥である清和政策研究会の裏金総額は6億円を超え、政治資金規正法違反容疑で所属国会議員が逮捕され、派閥の会計責任者らが立件された。自民党は組織として事実関係の把握ができないまま、対応に時間がかかり、処分内容も批判を浴びた。政治資金規正法の改正も紆余曲折を重ねた。法を作る立場の者が法を守らなかった以上、自民党に多くの批判が寄せられるのは当然である。釈明の余地はなく、所属議員として心よりお詫び申し上げたい。
一方で、私たち3人が党改革を断行しなければならないとの想いに至ったのは、この問題が明るみに出る前のことであった。自民党で長年培われてきた所属議員の意識、意識を形作る制度、そして制度の運用、そのすべてが見直される必要があった。政権奪還から12年という長い月日が経つ間に、国家運営に関わることに馴れ、社会の代表であることの謙虚さを失い、党内組織の中でそれぞれの役割を果たすことに埋没し、政府の政策に関与さえしておけば仕事をしたと思いこんでいたのではないか。今回の事件でも、責任を取るべき者が責任を取ろうとする政治家としての姿勢に欠けていた。我々自身も、よく言えば組織人、強烈な自戒を込めて言えば、「党の歯車」となってしまってはいなかったか――。
不退転の決意で投じる一石
各社の世論調査をみても、岸田政権だけでなく自民党の支持率も低迷し、過去最低水準で推移している。
平成以降、国民の政治不信がこれほどまでに高まったのは、30年前と15年前の2回だろう。30年前にはリクルート事件(1988年)と東京佐川急便事件(1992年)、15年前には日歯連のヤミ献金や事務所費問題が契機となり、「政治とカネ」の問題が政界を揺るがした。その結果、社会が政治に求めたケジメは政権交代だった。1993年には細川護熙氏を首相とする非自民連立政権が誕生、2009年には民主党政権が樹立された。
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