科学アウトリーチに挑む

第7回

大栗 博司 物理学者
ビジネス サイエンス
 

 私は、物理学の研究を職業としています。それを幅広い層の読者に紹介するために、2012年に『重力とは何か』と題した新書を上梓しました。

 このように、現役の研究者が、一般向けに研究内容や成果を伝える活動のことを、科学アウトリーチと言います。

 この本を書くきっかけになったのは、2011年3月11日に起きた東日本大震災です。私も、東京大学の柏キャンパスにいて、帰宅難民となりました。

 福島第一原発で事故が起きると、放射線の危険性などに関する誤った情報が出回りました。大手の新聞や雑誌にさえ科学リテラシーの欠如した記事が掲載され、その影響は現在の日本のエネルギー政策にも及んでいます。

 そのような状況の中で、科学と社会の関係についても考えるようになりました。

 ちょうど、幻冬舎新書の小木田順子編集長から科学解説書を出さないかというご相談があったので、自らの研究を一般向けに解説することで、基礎科学がなぜ社会にとって必要かを考え直す機会にしようと、お引き受けしました。

 この本を出版したことで、活動の幅が拡がりました。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
今だけ年額プラン50%OFF!

キャンペーン終了まで時間

月額プラン

初回登録は初月300円・1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

オススメ! 期間限定

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

450円/月

定価10,800円のところ、
2025/1/6㊊正午まで初年度5,400円
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2024年11月号

genre : ビジネス サイエンス