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政党と国民との距離
12月号の特集「石破首相の煉獄」を読んだ。選挙のために選ばれたにもかかわらず惨敗した石破茂首相が、天国と地獄の間にあって小罪を償う場「煉獄」にあると表現した点は、石破首相を巡る様々な背景を思い起こさせる秀逸な喩えだった。また、久米晃氏、曽我豪氏、中北浩爾氏の鼎談『自民党崩壊』で曽我氏が議席のバランスを「天の配剤」と表していたが、野党を含めた今回の結果を示したもので共感した。
今回の総選挙は自民党の裏金問題という大量失点に加え、非公認候補者への「2000万円支給問題」が追い打ちをかけ、ようやく立憲民主党をはじめとした野党にチャンスがまわってきたと思いながら投開票日を迎えた。しかし私の住む地方では、自民党にあきれる人はいても、政権交代を期待するような空気はなく、投票率もそんなに高くない、盛り上がらない選挙だった。
そもそも各政党の党員が多くない中で、政治が国民の生活とかけ離れていると感じている人が多いのではないか。
実際に党員は何人いるのか。調べると、主要政党のうち、公表されている8党の党員数の合計は200万人ほど。今回の総選挙の有権者が1億388万人余りだったので、有権者に占める党員の割合は約1.9%。党員がこれしかいないのに、政党政治というのはどうなのか。本当に政党が国民の声を代弁していると言えるのか。
勿論ポピュリズムに陥ることは注意が必要だが、「103万円の壁」の問題のように国民の生活に直結する問題をもっと深く議論するなど、選挙によって生活が変わることを示し、国民が政党政治に参加する意識を高める必要があるのではないか。同時に私たち国民もしっかりしなければと思った。
(北海道 小久保重孝)
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source : 文藝春秋 2025年1月号