創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。このページの末尾にある入力フォームからも、ご投稿いただけます。
イシバノミクスの未来
11月号の『イシバノミクスはどっちだ』、世界経済に精通する専門家たちの議論は、非常にためになりました。政府は経済団体に無理矢理賃金を上げさせるのではなく、様々な経済政策で生産性向上を促すべきである――。全くその通りだと膝を打ちました。成長戦略についても、石炭を焚いてもCO2を出さない技術改善などのGX投資が日本の「勝ち筋」になると具体的に触れられ、政治・経済に疎い私も、危機感と展望をよく理解できました。
「日本でとんでもない発言や政策運営があっても、翻訳されて報じられることがほとんどないから、海外には発言が伝わらない」という、日本の政策運営が「日本語の壁」に守られているという河村小百合氏の指摘には、驚くとともに、腑にも落ちました。諸外国が日本の真の姿を知ったとき、果たして何を感じるのでしょうか。
かつて第二次安倍政権の経済構想をアベノミクスと題して批判した朝日新聞の原真人氏は、本誌2023年2月号にてその造語誕生の経緯をこう記しています。「1980年代、米レーガン政権の矛盾だらけの経済政策がレーガノミクスと呼ばれて批判されたのは有名だ。私もこのいかがわしい政策を安倍晋三氏の名を冠した呼び名で揶揄してみようと考えたのだった」。
イシバノミクスは、今後ポジティブ、ネガティブ、どちらの文脈で語られるのでしょうか。こちらの「どっちだ」からも、目が離せません。
(秋田県 高橋一禎)
日本の真の闇
11月号、村山治氏と奥山俊宏氏の『カミソリ検事が明かした異常な命令』において、ロッキード事件の捜査に当たった堀田力氏がその内幕を生々しく、やるせなさを滲ませながら明かしていた。
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source : 文藝春秋 2024年12月号