創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。このページの末尾にある入力フォームからも、ご投稿いただけます。
国民よ、忘れるなかれ
「アレコレ考えると夜も眠れない」「過ぎたことは無しにして、とりあえず明日やることだけを考えよう」……現在住まう老人施設の食事時に、そんな会話が飛び交うような日常の中、私は『訂正する力』という本に出合った。老いるとは、昔の過ちを正し続けることだという。過去は「忘れ」るのではなく、「見直し」て生かすのだ。
その本の著者・東浩紀氏に、10月号の御厨貴氏との対談『自民党よ、驕るなかれ』で再会した。対談を読み、ずばり「忘れるな」と言いたいと思う。私を含めた国民全体に。
岸田文雄首相の不出馬表明が総裁選を活気づかせたようだが、ふと気づけば何ゆえの不出馬だったかさえ私は忘れかけていた。対談では、忘れ癖が日本人の通弊と指摘されている。対談記事に導かれ『風雲! 総裁選』候補者連続インタビューも読んだが、御厨氏も指摘するように、彼らは選挙に勝てる顔にすげ替えて「生まれ変わった」という見せ方をしているのかもしれない。難しいだろうが、中身を見極めて、現政権の支持が落ち込んだ理由やそれへの対応の経過を忘れずにいたい。
我らが意思表示できる最大の場は総選挙だ。その早期実現を予告する候補者もいた。納得のいく選択ができるよう、肝心なことを忘れずに、また東氏が言われたように「平和というカードは絶対に手放してはいけない」ことを、肝に銘じておきたい。
(北海道 堀川七郎)
もっと企て、挑戦を
10月号の石井光太郎氏と楠木建氏の対談『経営者は守るな、もっと企てろ』の示唆に共感した。1990年にバブルが弾け、日本的経営の特徴である「おみこし経営」や、三種の神器と言われる終身雇用、年功序列、企業内労働組合等に疑念が生じてきた。その後もデフレ経済が続き、物価も賃金も上がらない「失われた30年」と称されるが如く、経済活動の活力が失われた。
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source : 文藝春秋 2024年11月号