読者からのお便り 2025年2月号

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創刊100周年の雑誌『文藝春秋』での名物コーナー「三人の卓子」。読者の皆様からの記事への感想を募集・掲載しています。このページの末尾にある入力フォームからも、ご投稿いただけます。

身の丈に合った服

 1月号、エマニュエル・トッド氏と成田悠輔氏の『日本は欧米とともに衰退するのか』は、大変示唆に富む対談である。トッド氏は、日本の問題は「人口問題」だと指摘する。現在、結婚の成否は損得勘定に左右され、子供については「産むべきか、産まざるべきか」で語られる。子を育てる営為が「べき論」に支配されているのは絶望的だが、歴史人口学者・家族人類学者であるトッド氏によれば、「『家族』は『子育て』を効率的に行なう仕組み」だという。少子化に歯止めがかからない中で、わが国の家族形態はこの先どうなるのだろうか。

 更に、英米の「核家族」は柔軟性に富み創造的破壊を得意とし、日独の「直系家族」は硬直的ながら世代間継承に長ける、という。私は各々を「リセット型」「リバイス型」と理解したが、このような彼我の相違を蔑ろにしたグローバリゼーションにより西洋は疲弊。一方で、「世界の多極的なビジョン」を掲げ、戦争という危険な紐帯で国民国家の連帯維持を図るロシアの戦略的合理性が際立ってきている。

「グローバル経済の罠」は、異なるもの均質化を通じて資本主義を暴走させた。体形に合う服を着るのではなく、世界共通の服に体形を合わせるという倒錯を強要してきた。「西洋の敗北」は、身の丈に合った服を自ら選ぶ自由を取り戻す契機でもある。

 成田氏が指摘するとおり、この国は「歪んだ二極」(いわば「衒学的嫌国」「慢心的愛国」なる無責任)の言説に毒されているが、トッド氏の視座は、現状認識への座標軸を与えてくれるものだ。

(岐阜県 河本哲治)


なぜ玉木氏にときめくか

「不倫」の報道が出ると、今まで積み重ねてきたものを一瞬にして失ってしまうのが最近の風潮ですが、国民民主党の玉木雄一郎氏の場合はなぜそうならなかったのか。理由が知りたくて、1月号、森健氏の『玉木代表と国民民主を解剖する』をとても興味深く読みました。

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