偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム
★吉田義男

元阪神タイガース監督の吉田義男(よしだよしお)はショートでの華麗な守備で知られ、監督としても同球団に栄光をもたらした。
1985(昭和60)年、2度目の阪神監督を引き受け、リーグ優勝と初の日本一に導いて阪神ファンを熱狂させる。バース、掛布雅之、岡田彰布の活躍が大きかったが、吉田の采配も冴えていた。
33年、京都市中京区で生まれる。家業は薪炭商。幼い頃は病弱だったが、小学校に入る頃には、すばしっこい少年になっていた。戦後、旧制の商業学校に入り野球部でショートを守るが、学制改革で山城高校の併設中学に移ってのち野球から遠ざかった。
体調を崩したのと父母が相次いで死去したためだが、建築設計を志していた兄が薪炭商を継いで「野球をやれ」と言ってくれた。野球に復帰し山城高2年生でレギュラーとして甲子園に出場する。立命館大学でもすぐに主力選手となり1年の途中で阪神にスカウトされた。契約金は50万円だった。
入団して間もなく、守備範囲の広さが評価されショートを任せられたが失策が多かった。しかし、当時の松木謙治郎監督は何もいわず、そのうち「飛燕」のようと称賛され、解説者の小西得郎が「牛若丸」と呼んでこの名が定着する。
69年、次期監督候補として村山実と吉田の2人の名が挙がったが村山に決定、17年間の現役生活を終えた。以降、テレビ解説者となり、渡米して米国野球を見に行く。75年から阪神の監督を務めるが3位、翌年2位、翌々年4位で終わっている。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2025年4月号