ポケットには30年前の身分証明書も…成田悠輔も感嘆したアートの巨匠・横尾忠則の“天衣無縫さ”

vol.105

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 経済学者・成田悠輔さんの対談連載「成田悠輔の聞かれちゃいけない話」第4回のゲストにお迎えしたのは、美術界の巨匠・横尾忠則さん(88歳)。これがお二人の初対面となりました。

 

 対談の舞台は、都内の閑静な住宅街にたたずむ、横尾さんのアトリエです。

 自然光が降りそそぐガラス張りのアトリエに足を踏み入れると、目に飛び込んできたのは、特大キャンバスに描かれた鮮烈な油絵、無数の絵筆や絵の具チューブ、床に高く積み上げられた美術書の山々。

 

 横尾さんの創造の源泉ともいえる仕事道具がところ狭しとひしめく空間に、まず圧倒されます。そんな濃密な空気のなか、二人の対話は始まりました。

 成田さんの新刊『22世紀の資本主義』を手にしながら、「今日は成田さんと経済とかお金の話をしなきゃならないんだけど、僕はお金に関しては何も語る資格がないような気がする。まず、財布を持って歩いたことがないんです」と切り出した横尾さん。

 そう言って、おもむろにズボンのポケットをごそごそ探ると――出てきたのは、くしゃくしゃのお札や領収書の束! なかには、テレフォンカードや30年前の身分証明書まで紛れ込んでいて、「時には一銭も持たずにタクシーに乗っちゃうこともあるんです」。

 

 そのあまりに天衣無縫な姿に、成田さんも思わず「そろそろ『横尾忠則、無賃乗車で逮捕』というパフォーマンスアートが(笑)」と応じます。

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