
「江戸城は歩くたびに発見があるんです」
みなさんは、皇居がかつて江戸城だったことをご存知でしょうか? 1657年の明暦の大火で天守閣をはじめ大半が消失し、再建された門も関東大震災や東京大空襲で失われましたが、石垣や一部の門は焼け残りました。本丸や大奥、二の丸があった中心部は「皇居東御苑」として一般開放されているので、皇居に行けばいまも往時をしのぶことができます。
本誌6月号では、「江戸城天守再建」をめぐる白熱座談会を実施。再建されれば、世界最高峰の木造建築として国内外で大きな話題となることでしょう。実現に向けてはまず、「過去と現在の江戸城を知ってもらうことから」というのが参加者の皆さんの総意でした。
冒頭の言葉は、座談会に参加頂いた元宮内庁書陵部職員の歴史研究者・岩壁義光さんの発言。取材後、「生きた歴史」を学びたいと、岩壁さんに無理を言って “江戸城歴史さんぽ”にご案内頂きました。城初心者の私にはあまりに楽しかったので、少しリポートさせて下さい。
4月吉日、東京駅南口から歩いて10分、江戸城の正門「大手門」で待ち合わせ。
門内に進むと、一つめの門と直角に配置された二つめの門に囲まれた小さな空間が広がります。「この門は枡形といってね、敵が攻め入ったら、まずここで雨のような集中砲火を受ける。ほとんどがここで死ぬんじゃないかな」。岩壁さん、初っ端から淡々と怖ろしいことを語り出しました。「塀に小さな穴(石狭間)が並んでいるのが見えるでしょ、あそこから銃で撃たれる。それから、あの上から大きな石が転がってくる。塀に続く階段の幅は狭くて、敵は駆け上がることもままならない」

もうダメだ……。なぜか江戸城に攻め入る反乱軍になったつもりで絶望します。
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