2019年の暮れが押し迫っているが、いまだにテレビでラグビー選手を見ない日はない。

 12月22日に放送された「M-1グランプリ」では堀江翔太、稲垣啓太、福岡堅樹がスタジオに登場。

 また、「新語・流行語大賞」の年間大賞にはラグビー日本代表のスローガン、「ONE TEAM」が選ばれた。

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 ただし、巷の20代の働き手からは、こんな話も聞く。

「W杯が終わってから、急に職場で“ONE TEAM”って言いだす上司がいるんですよね。どんな意味で使ってるか、ちょっとよくわかんないんですけど」

 管理職の方はご注意あれ。

©JMPA

「ONE TEAM」は一夜にしてならず

 2019年、ラグビーが日本列島を席巻したわけだが、前回のW杯が終わってからの4年間、「ONE TEAM」という言葉が実を伴い始めたのは、最後の1年間だったように思う。

 キャプテンとして「日本の顔」になったリーチマイケルは、こう話す。

「ONE TEAMと言っても、一夜にして出来るものではないですよ」

リーチマイケル ©JMPA

 前回のW杯が終わって、前ヘッドコーチであるエディー・ジョーンズは日本を離れ、イングランドの指揮官に。

 年が改まって2016年、新しい日本の指導者になったのは、ジェイミー・ジョセフだった。

 ジェイミーは1990年代にオールブラックスで活躍した大スター。当時は複数の国の代表になれたため、1999年には平尾誠二が監督を務めた日本代表の一員としてW杯にも出場した。

平尾誠二・日本代表監督(当時)の話を聞く現役時代のジェイミー ©文藝春秋

 指揮官としても有能で、小兵の田中史朗も所属したニュージーランドのプロチーム、ハイランダーズを優勝に導いている。

 ただし日本代表において、ジェイミーに対する信頼感はすぐに醸成されたわけではなかった。