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一緒の環境で過ごすことが、差別や垣根をなくす

――木村議員は「インクルーシブ教育の推進」も強く訴えておられると思うのですが、こういったご経験が関係しているのでしょうか。

木村 その通りです。「インクルーシブ教育」は障害者のことをもっと知ってもらうためにも必要だと思っています。

 地域で小さい時から一緒に遊んだり、同じ保育園や学校に行ったりしたという人は少ないのが現状ですので。健常者の方も全ての人が意地悪なわけではなくて、障害者にどう接したらいいか分からないんでしょうね。何か手伝いたいと思って下さる方でも、どういうふうに声をかけたらいいか悩まれるんだと思います。

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――悪意というより躊躇ですね。

木村 そういう意味では、学校・保育園・地域などで、一緒の環境で過ごすことが、差別やお互いの垣根をなくしていく方法だと思います。

出馬に息子は賛成、夫は反対

――出馬に対して、息子さんは賛成された一方、雅紀さんは当初反対されたそうですね。

木村 体のことが一番心配だったみたいですね。私は障害がだんだん重くなってきていて。特に心臓が弱いから心臓発作が何回か起きていて、それがいつまた起こるか分からない状況があります。あまり疲れすぎると体に来る。

 2人とも元々障害者運動をやってきたので、議員としての活動内容については特に反対は無いですけど。むしろ「合ってるんじゃない?」ぐらいの感じ。今は彼も応援してくれています。

議員室で記者会見を開く木村議員

――今年の抱負は「健康第一」だそうですね。

木村 そうですね。なるべく健康に意識を集中しながらやっていきたいと思います。なかなか難しいですけどね。

――今はすごくお忙しいと思いますが、お好きなお芝居など見に行かれたりしますか?

木村 ええ。見に行きますし、たまに出演したりもします。自立してからすぐに、「かたつむりの家」の人たちと一緒に演劇を作って各地を回りまして。

 今は知的障害者の方が中心になって『はるながまちにやってきた』という劇をあちこちで演じておられて、そこに時々友情出演させてもらってます。

――じゃあ、今も舞台に立たれることがあるのですね。

木村 たまにあります。ほぼ実話なので、自分の若い頃のエピソードを舞台の上で表現するという感じです。最近演じたのは、自立したばかりの頃に介護者が見つからず、外の公衆電話の車いす用のボックスで一晩を明かしたエピソードです。

 そういう私たちの現状を一人でも多くの人に知ってもらうことも活動目的の一つです。演技への興味と周知啓発を両方兼ねてまして。普段の活動とは違う伝えられ方ができるという醍醐味もあります。