昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

前頭は140万円、大関は250万円、では横綱の月収は…? 力士の“収入事情”の実態に迫る

『スポーツとしての相撲論 力士の体重はなぜ30キロ増えたのか』より #2

2021/08/01

 本場所が連日テレビで放映され、多くの国民に愛され続ける相撲。しかし、伝統文化という側面を持つこともあってか、他のスポーツに比べてアスリートの収入にスポットライトが当たることはほとんどない。いったい力士たちはどれくらいの収入で、どのような生活を送っているのだろうか。

 相撲ライターの西尾克洋氏の著書『スポーツとしての相撲論 力士の体重はなぜ30キロ増えたのか』(光文社新書)の一部を抜粋し、意外と知らない力士の収入事情に迫る。(全2回の2回目/前編を読む)

©iStock.com

◆◆◆

“相撲界の顔”だからこそ責任が問われる横綱

 ボクシングや総合格闘技では試合に対してファイトマネーが設定され、勝敗に応じて貰える額が変わりますが、大相撲における給与は地位によって変わります。地位別の収入は次の通りです。参考までに、1年間同じ地位を維持した時の給与額も併記いたします。なお、こちらは2019年に改定されたものです。

 横綱:300万円/月    3600万円/年
 大関:250万円/月    3000万円/年
 関脇・小結:180万円/月 2160万円/年
 前頭:140万円/月    1680万円/年
 十両:110万円/月    1320万円/年

 こう見ると、横綱と大関の給与にそれほど大きな開きがないことがわかります。横綱は降格がないので成績が低迷すると批判に晒されますし、相撲界の顔なので何をしても常に議論の対象となります。うっかり黒いサポーターを付けてしまっただけでニュースになってしまうことさえもありましたし、所作を間違えたことが大きな批判を集めたこともありました。

 ただ横綱は出場するからには結果が求められる一方で、休場しても地位が守られる立場でもあります。関脇だった力士でも2場所全休すれば十両まで落ちるので給与水準は6割程度まで落ち込みますが、横綱であれば給料は全く変わりません。このことを批判する方もいますが、先に述べた責任の重さを考えると果たしてそれが妥当かどうかは解釈次第かと思います。