実際、銀座などで外国人に話を聞くと、吸う場所がなくて困っています。「喫煙所というのがある」と言っても、みなさん「見たことないよ」と口を揃えます。まさにいま、外国の方がよく観光にいらっしゃる地方の商店街とも話を進めています。
竹山 広告の内容も、それに合わせて変わるということですね。
「竹山さんのような職業の人だと『ここでは吸えないな』ってあるものですか?」
山下 はい。ところで、僕らみたいな“一般人”はどこの喫煙所でも吸えますけど、竹山さんのような職業の人だと「ここでは吸えないな」ってあるものですか。
竹山 僕なんかはお笑いだしオジサンだからいいですけど、気の毒だなと思うのは若い女優さんです。ロケ先で休憩になると、事務所のワンボックスカーに乗り込んでいって、サンルーフが開いたと思ったらパーッと煙が出たり(笑)。そんなに気を使わなくても、こっちで僕らと一緒に吸えばいいのにと思いつつ、大変だなぁと……。
山下 やっぱりイメージがありますからね。うちでも女性の利用は多くて、特に赤坂店は2割くらいを女性が占めているんですが、公衆喫煙所でこれは比較的珍しいと思います。
竹山 そう思うと、女性に特化した喫煙所もありかもしれませんね。女子トイレって男には窺い知れない場所で、お化粧を直したりいろんなことをしているらしいので、化粧室と喫煙所と組み合わせた施設なんか面白いんじゃないですか。
あと、個人的には飴ちゃん的なものが売っていても嬉しいなと思いますね。というのも、紙タバコって臭いが残るんです(苦笑)。加熱式タバコを吸うようになっていっそう意識するようになりましたが、最近ではさらに「マスクをつける生活」ですから、自分も紙タバコを吸ってすぐにマスクをしたら、残ってる臭いが気になったりもするんですよ。
山下 早速、検討します。
竹山 ここ2年のコロナ禍で、喫煙所でもしゃべっちゃいけない空気になっていますが、喫煙所って本来、タバコを吸う人同士の親近感から「あ、どうもどうも」と気軽に言葉を交わし合う場所だったと思うんです。早くそういう日常に戻りたいという意味でも、山下さんのビジネスはすごく面白いので、近くに来たときには私も利用したいと思います。
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構成=石井謙一郎、写真=鈴木七絵/文藝春秋
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「ナゾの喫煙所」を運営するコソドが動かしている「ポイ捨て図鑑」プロジェクトが現在開催中(詳細はhttps://poisutezukan.jp/)。
道路や街中に捨てられたたばこの吸い殻を“喫煙所に戻れず、迷子になったモンスター”になぞらえて集めようというこの取り組み。落ちている吸い殻を撮影し、ポイ捨て図鑑の公式サイトから名前とストーリーを記入して投稿すると、集まった「いいね」の数に応じて投稿内容がランキングされるという。ランキング上位入賞者にはアマゾンギフト券を総額で20万円分がプレゼントされる。期間は2022年2月28日まで。
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