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「9回無死満塁で投手は桑田真澄。“初球から打て”と言われ金縛りに…」 元ヤクルト・城友博が野村監督に“気に入ってもらうため”の“戦略”

2022/06/30

source : ノンフィクション出版

genre : エンタメ, スポーツ

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 大いに失敗をしていい。でも「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」なんですよね。営業に行って結果が出なかったとき、うまくいかなかった理由がある。「事前準備が足りなかった」「相手が望む情報をすぐに出せなかった」「会って名刺を交換するだけだった」。それじゃ結果は出ない。仕事=目的+成果です。

グラウンドの外でも「野村の教え」は活用できる

 野村さんの教えを記したノートは、「いまの自分の状態にはこれだ」「ウチの会社に当てはまるものは」と、ことあるごとに読み返しています。野村さんは、僕の感性を磨いてくれた大切な“お父さん”みたいな存在でした。

©文藝春秋

 最も心に響いた言葉は、「考え方=取り組み方」。

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 たとえば、「今日は大雨だから嫌だな」とマイナスのイメージを持つと、考え方が行動につながる。考え方をプラスにすることで、行動が変わってくる。イヤイヤやる練習、やらされる練習は身に付かない。筋肉は付くけど、それは本物ではない。自らやる練習は本番で使える。工夫をしたり考えたりしながら体を動かすことで、頭と体が連動するからです。

 ビジネスも同じ。「人との出会いを点で終わらせるな」と社員に伝えています。せっかくの出会いを、偶然ではなく必然にする。そのためには相手とお会いした後、相手にとって利することを考え、先々を決めていく。

社員に「楽しい!」と感じる瞬間を持ってほしい

 僕の会社は、大学硬式野球部の学生さんの就職をサポートしています。今後は大阪にも支店を作り、ラグビー部やアメフト部の学生さんも視野に入れています。10月1日には、「ミスオリエンタル日本大会」というイベントを名古屋で開催する予定です。

「就職支援会社になぜミスコンなのか?」と思う方もいらっしゃるでしょう。自社で華やかなイベントをゼロから作り出すことで、社員に「楽しい!」と感じる瞬間を持ってほしい。担当役員の細かい視点を社員が学べば成長できる。野村さんの教えの根本にある人間教育に繋がると考えています。

「9回無死満塁で投手は桑田真澄。“初球から打て”と言われ金縛りに…」 元ヤクルト・城友博が野村監督に“気に入ってもらうため”の“戦略”

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