「問題があったというふうにはとらえていません」
だが日本救急救命士協会会長の鈴木哲司氏は、こう断言する。
「日本の救急蘇生法では、呼吸はしているが“普段通りの呼吸”ではない、もしくは判断に迷う場合には心停止として考えて対応するという指針が示されています。勿論、医療従事者ではない人に判断は難しい。だからこそ、異変があった11時7分の時点で救急車を呼ぶべきでした」
中日側はどう答えるのか。加藤宏幸球団代表を携帯で直撃した。
――木下選手が倒れた直後の対応について。
「はっきり申し上げますけど、問題があったというふうにはとらえていません」
改めて中日に書面で質問状を送付するため広報担当者に連絡したが、ファックスでこう回答が送られてくるのみだった。
「双方とも弁護士に対応を委ねておりますので、弊社から直接回答することは控えさせていただきます」
木下選手の死を無駄にしないために
茜さんが嘆く。
「私は、ただ中日に、雄介に対する救命の遅れがあったことを認めて、救命講習を開くなどの改善策を講じてほしい。雄介の死を無駄にしてほしくはないんです。雄介もきっと、『俺の名前を利用していいから、二度とこういうことがないようにしていこう』と言っていると思います」
木下選手の急死を巡り、何が起きていたのか。森繁和元監督が語る「雄介さんを獲得した理由」、中日が遺族に隠していた「補償金5000万円」の存在、メニュー表から消された倒れる直前のトレーニング内容、加藤代表が茜さんに言った“失言”、子どもたちと遊ぶ木下選手の元気な姿の動画など、8月3日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および8月4日(木)発売の「週刊文春」で詳報している。
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