求める情報も求めない情報も、簡単に目に入る時代になりました。インターネットが急速に普及し、SNSで誰でも発信できるようになった一方で、フェイクニュースが溢れ、災害時にはデマが拡散される。容易に「つながり」を持てるからこそ、何を信じたらいいかが分かりづらい世界になったと思います。
「つながりたくない」と思うとき、問題の根本は「つながること」自体より「つながり過ぎること」にありそうです。情報や評価に振り回され、自分を見失う不安を抱く人が増えているのかも知れません。僕にとっても、無縁ではないテーマです。
プロスケーターになり、この夏で丸3年。これまでとは全く違う世界で挑戦している実感があります。競技者として過ごした18年はある意味、点数に一喜一憂する時代でした。演技の「善し悪し」は、ジャンプやスピンという技術的要素が反映された点数で決められていた。いま僕が立つ舞台では、善悪の判断は観る人の価値観に委ねられます。ルールや点数に縛られない「自由」は、創作意欲を一層掻き立てますが、怖さも伴う。評価の中身が点数から観る人の言葉や感情に置き換わり、「本当に善いものを届けられているか?」「期待に応えられているか?」と、自問することが増えました。
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source : 文藝春秋 2025年7月号

