秦郁彦氏(歴史学者)
ラグビー日本チームの勝ちっぷりを見て「にわかファン」の1人になった私は、ベスト4どころか優勝するかもと空想したが、さすがに無理だった。似た思いは小学生の頃にも味わっている。
太平洋戦争の初頭、真珠湾攻撃に始まる日本陸海軍の連勝ぶりに「優勝」を疑わなかったのに、戦争は思いもよらぬ惨敗で終ってしまった。「失敗は成功の母」という処世訓を引いて、反省と再起を訴えた苦労人もいた。再起は意外に早く、敗戦から30年もしないうちに「ナンバーワン」こそ逸したが、ベスト4入りは実現した。そのかわり反省を深め、敗因を突きとめる苦々しい作業のほうは、おざなりにされてしまう。
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source : 文藝春秋 2019年12月号
genre : ニュース