『仲野教授のそろそろ大阪の話をしよう』はヒョウ柄に金の箔押し(題名めちゃ読みにくい)、書店でもダントツの濃ゆーい目立ち方をしていました。そう、近鉄の「いてまえ打線」って感じ。「やっちまえ」みたいな意味ですけどね、いいね。カバーを取ると本体はゼブラ柄だし、中身は濃い人ばっかり出てくるぎゅっと詰まった336ページ。大阪文化への愛溢れる、どこから読んでも惜しみなく笑わせてくれる対談集です。
対談相手の1人、3歳からおばちゃんだったという「全日本おばちゃん党」の谷口真由美さん(私と同い年)はオバハンとおばちゃんの違いを明快に示し、おばちゃんになるのはある種の女性解放だと仰います。仲野教授曰く、大阪のおばちゃん的人間はグローバル化に適している、と。確かにおばちゃんが元気な街は、行政主導の何かよりずっと血の通ったコミュニティが生まれるのは容易に想像ができる。外交とかも絶対得意なはずです。他にもソースについて語る人、関西の私鉄に熱い人など、偏愛の人が次から次から。
私は大阪で育った割にオチがない話をしてしまう〈あかんヤツ〉だったのですが、この本では「おもろいヤツ」「けったいなヤツ」以外はただの大阪市民、ということが書かれており、自分がほんまのただの人ということが再認識されましたね。とほほ。だけど〈あかんヤツ〉でもこうしてのびのび過ごしていましたし、やっぱり大阪ってあったかい街なんだと思いました。
大阪文化にたっぷり浸ったあとはブレイディみかこさんの一冊、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を。
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source : 文藝春秋 2019年12月号