「私の出処進退については、一切、話は出ていない」
参議院選挙から3日後の7月23日、首相の石破茂は自民党本部で最高顧問の麻生太郎、副総裁の菅義偉、前首相の岸田文雄と会談した後、記者団に断言した。石破が近く退陣表明するとの一部報道についても、「そのような発言をしたことは一度もない」と否定してみせたが、1時間20分にわたる会談の核心部は、やはり石破の進退問題だった。
会談冒頭、幹事長の森山裕が参院選を総括する両院議員懇談会を前倒しすることを伝えた後、石破は米トランプ政権と合意した15%の相互関税の事後対応や、8月に予定されている日程を延々と40分間も説明した。
8月6日は広島の原爆の日、9日は長崎、15日は終戦記念日、そして20日からは横浜市でTICAD(アフリカ開発会議)……。
じっと黙って聞いていた麻生が、切り出した。
「石破総理では選挙は戦えないという民意が示された。誰かが責任を取るべきだ」
すると岸田も、「続投するにしても、この後にどうするのか、先のことを明らかにしてほしい」と注文をつけた。政権の後見人である菅は、石破リコールの動きを指摘して、「分裂は避けなければいけない」と側面支援するのが精一杯だった。
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